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灯油に関する豆知識

灯油のトラブル

古い灯油の処分・廃棄方法とは?正しい捨て方を灯油配送業者が詳しく解説

 

寒い季節に大活躍する灯油ですが、シーズン中に使い切れなかった灯油をどのように処分したらよいかご存じでしょうか?

灯油は保管状況や時間の経過によって酸化と変質をしてしまうため、基本的には1シーズンで使い切ることをおすすめします。古くなってしまった灯油を使用してしまうと、灯油機器の故障だけではなく、思わぬ事故も発生してしまう恐れがありますので大変危険です。

しかし、思ったより暖かくなるのが早かったなど、思わず使いきれず冬を終えてしまうこともあるかもしれません。灯油は自治体でも適切に処理することができないため回収を行っておらず、法律に従って各個人で処分・廃棄を行う必要があります。

では余った灯油をどのように捨てたら良いのか?正しい灯油の処分方法をご紹介します。

  1. 余った灯油の正しい処分方法
  2. 灯油のやってはいけない処分方法
  3. 灯油が入っていたポリタンクの処分方法
  4. 古い灯油を使用するとどうなる?
  5. 灯油を取り扱う際の注意点
  6. まとめ

1.余った灯油の正しい処分方法


灯油はガソリンスタンドなどでも容易に購入できるものですが、処分となると廃油扱いとなり、環境省より「特別管理産業廃棄物」に指定されます。

特別管理産業廃棄物とは「爆発性、毒性、感染性その他の人の健康又は生活環境に係る被害を生ずるおそれがある性状を有する廃棄物」のことを指し、通常の廃棄物よりも厳しく規制されています。

当然、安易に庭や川などに捨ててしまうと、不法投棄となり厳しい罰則の対象となってしまいますので正しい処分方法が必要となります。

これからご紹介する処分方法を参考に、自身にあった方法を選んでいきましょう。

1-1.ガソリンスタンドに持ち込む

余った灯油はガソリンスタンドで処分してもらうことが可能です。

ただし、全てのガソリンスタンドで引き取りをしているわけではなく、廃油処理が可能なサービスステーションが決まっているため、持ち込む前に問い合わせをすることをおすすめします。セルフのガソリンスタンドは灯油の持ち込みができないところが多いので注意しましょう。

また、購入した際のレシートが必要な場合や処分費用が発生する場合もあり、店舗によって料金も異なるので、各ガソリンスタンドのHPに記載されている情報を事前に確認しておきましょう。

1-2.不用品回収業者に依頼をする

不用品回収業者は灯油の回収と廃棄も行っており、依頼すると自宅まで取りに来てくれます。ただし灯油は危険物に該当する為、全ての不用品回収業者が対応しているわけではありませんので、業者のホームページなどで確認をしてみましょう。

また、廃棄費用や料金相場は業者によって異なり、灯油単品での料金やトラックの積み放題のプランなど様々なパターンがあるため、比較して決めるといいでしょう。

灯油のみならず、他の不用品もまとめて引き取ってもらえますので、季節の変わり目などに不用品の整理にも活用できます。
中には直接、不用品回収業者への持ち込みで料金も変わる場合がありますので、確認してみましょう。

1-3.余った灯油を使い切る

少量の灯油であれば、処分する手間をかけるよりも使い切ってしまったほうが良いでしょう。

灯油は夏の高温や日光、湿気などでも劣化が進みます。余ってしまうとどうしても「もったいない」「来年も使おう」という考えにもなってしまいますが、こうした条件下で保管しておくと、変質してしまい次の冬には使用できない状態となってしまいます。そこで処分するのが難しい場合は使い切るのも方法の一つです。

例えば梅雨時期の屋外に洗濯物が干せないときに、乾燥機代わりにストーブを使用する方法があります。灯油を処理しつつも、乾きにくい洗濯物を乾かせるとなると一石二鳥です。湿気が多い中での自然乾燥ではなく、暖かい空気で干すので室内干しの嫌な臭いも発生しません。

1-4.その他

ホームセンターでも灯油の販売をしている店舗がありますが、処分については基本的に承っておりません。大手のカインズホームやコメリなどでも引き取りはしていませんので、ガソリンスタンドか不用品回収業者で処分するのがおすすめです。

2.灯油のやってはいけない処分方法

ゴミとして捨てる

余った灯油を布や新聞紙で拭き取って一緒に捨てるのは基本的にNGです。ただし50cc~100ccくらいの少量であれば自治体によっては燃えるゴミとして捨ててもよい、というところもあります。

灯油ストーブなどに給油をしようとして灯油をこぼしてしまった、という場面もあると思いますので、自治体のHPを確認するか直接問い合せをしてみましょう。

関連記事:床に灯油をこぼした時、放置していいの?こぼしてしまったときの正しい対処法

土、川、下水などに捨てる

いずれも環境汚染となるため絶対に避けましょう。土については土壌汚染となり、一部土壌菌類の作用によって分解されるという情報もありますが、そもそも埋立処分基準に違反しているのでNGです。

川についても生態系が破壊されてしまうなど、水質汚染に繋がる事は言うまでもありません。

環境省ホームページ:特別管理産業廃棄物の処理基準の概要

また灯油は液体なので下水管に流せると考えるかもしれませんが、非常に危険なので絶対にやめましょう。

下水管の中で気化する恐れや、灯油の臭いがあがり悪臭被害が広範囲に生じる可能性、浄水ができない恐れなど周囲や施設に大きな損害を与える恐れがあります。

燃やす、凝固剤で固める

少量の灯油であれば、庭などで燃やせるのでは?と考えるかもしれませんが、当然火事の危険性とリスクがあります。灯油の性質として燃えやすく、燃え広がりやすい上に消化しづらいという性質を有するので、燃やして処分する方法は絶対に避けてください。自宅のみならず周囲の二次被害の可能性もあり危険です。

また食用油の廃棄方法として凝固剤で固めるという方法があります。凝固剤は加熱前提な上に、当然食用油と石油系の灯油とでは性質が全く異なりますので絶対に使用はやめましょう。

3.灯油が入っていたポリタンクの処分方法


灯油用のポリタンクの寿命は、製造されてから5年とされています。本体に印字されている製造年月日を確認してみましょう。

また、灯油の入っていたポリタンクは、自治体によって処分方法が異なります。どちらにせよ、中身がある状態だと処分が必要となりますので、使い切ってしまうかガソリンスタンドなどに持ち込みをしましょう。持ち込みした際にポリタンクごと処分してくれる場合もあります。

不用品回収業者に依頼をした際も対応が異なりますので、確認してみることをおすすめします。

その他、寒冷地の戸建住宅などに設置してある490Lホームタンクは業者に相談しましょう。もちろん当社でも交換・撤去・タンク洗浄の取り扱いがございますのでお気軽にご相談ください。

4.古い灯油を使用するとどうなる?


古い灯油は酸化して質が変化した「変質灯油」や水やゴミが混ざった「不純灯油」など、“不良灯油“と呼ばれる状態になっている可能性があります。こうした古い灯油を使うと、灯油機器の燃焼不良、異常燃焼、着火不良、故障といったリスクが生じてしまいます。

予期せぬ事故やトラブルが発生することがあるため、使用しないように気を付けましょう。

灯油ストーブなどの故障

古い灯油を使用すると、灯油ストーブやファンヒーターに不具合やエラーが生じ、故障の原因となります。経年劣化によって変質した灯油は着火しない上に、もし機器の内部に入ってしまった場合は抜き取りの作業も発生してしまいます。

また、不純灯油のまま使用すると、灯油内の不純物が原因で部品の交換が必要になるなど、余分な費用も発生してしまいます。
いずれにせよ古くなった灯油を使用するのはリスクしかありませんので、毎シーズン新しい灯油を用意して使用されることをおすすめします。

一酸化炭素中毒(CO中毒)の恐れ

古い灯油を使ったことによって不完全燃焼となれば、一酸化炭素(CO)中毒を招く事故になりかねません。一酸化炭素は無色無臭で毒性が強い気体のため、ほんの少しでも吸い込んでしまうと気付かないうちに中毒になる危険があります。

異常燃焼をしている場合はすぐに使用を中止し、十分な換気を行いましょう。

古い灯油の見分け方

まず正常な灯油は無色透明で、不純物が混入しておらず独特な灯油臭がするものです。

それに対し「変質灯油」は黄味がかっていたり、酸っぱいような臭いがする場合があります。主に保管場所が高温であったり、直射日光があたる場所、1シーズンを持ちこしたり、水用(乳白色)のポリタンクに入れて保管していた灯油は要注意です。

また、「不純灯油」は灯油にゴミや水、虫の死骸などが混入してしまっているものを指します。ゴミや虫は沈殿し、水は分離して目視で確認できますので見分けがつきやすいです。

5.灯油を取り扱う際の注意点


最後に灯油を取り扱う際の注意点として、灯油の性質も理解しておきましょう。まず灯油の原料は原油で灯油やガソリン、軽油などは石油由来製品と呼ばれます。

原料の「原油」はそのままでは燃えることができません。そのため石油製品として加工されてから灯油、ガソリン、軽油として使用できます。灯油もガソリンも原油が原料なので、原油価格そのものが灯油やガソリンの価格に大きく影響しています。

続いて灯油の性質ですが、灯油は第2石油類に分類され性質は次のような点があります。

・引火点は40℃以上
・常温では自然発火はしない。(ただし霧状など条件下によっては引火の危険性も有)
・揮発性がある
・臭いがある
・水に溶けない
・無色または淡紫黄色
・硫黄分が少ない

基本的に常温では発火しないものの、揮発性があり引火点が40℃なので火気近くでの使用は厳禁です。

また灯油は扱う際にこぼしてしまったり、肌に付着することもあるかと思います。肌についたまま放置してしまうと灯油皮膚炎と呼ばれる火傷に似た症状が生じますので、すぐに石鹸などで洗い流しましょう。

服などに付着した場合はすぐに処置しないとシミになる恐れがあります。洗面器やバケツなどの容器に40℃くらいのお湯を入れ、食器用洗剤でつけ置きした後、お湯を変えながら優しく揉み洗いをしましょう。

6.まとめ

灯油はストーブやボイラーの燃料として欠かせないものですが、処分方法や使用方法を誤ると大変危険なものです。しかし、古くなってしまったり、保管はしていたけれどいつの灯油か分からなくなってしまったという状況もあるかと思います。

その場合「もったいない」と感じるかもしれませんが、先に述べた通り、古い灯油を保管しておくメリットはありませんので、使いきれずに残ってしまった灯油は適切に処分することが大切です。

寒い季節になくてはならない灯油ですが安心・安全に、そして温かく乗り越えるためにも新しい灯油を用意して快適に過ごしていきましょう。

関連記事:灯油の保管期限と正しい保管方法について解説!灯油を長持ちさせる秘訣もご紹介

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