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灯油に関する豆知識
大雪後にストーブやボイラーが使えなくなった場合、給排気筒を確認しましょう
降雪地帯に住んでいる方であれば誰でも灯油ストーブに触れたことがあるのではないでしょうか。もし、大雪や吹雪の日に暖房ボイラーや灯油ストーブが止まってしまったら大変ですよね。そこで今回はボイラーやストーブが止まってしまう給排気筒の閉塞について説明します。
給排気筒の閉塞とは?
給排気筒とは、燃焼するための新鮮な空気を取り入れ、燃焼後に発生する排気ガスを屋外へ排出する設備です。この給排気筒が積雪や雪庇で埋もれてしまった場合、燃焼機器が不完全燃焼を起こし、一酸化炭素中毒になるのを防ぐために安全装置が作動し、エラーとなり燃焼機器が停止することがあります。
灯油ストーブは戸建住宅やベランダに給排気筒がある住宅の場合は、設置場所が低いこともあり、積雪により埋まってしまう場合があります。また、暖房ボイラーは高い位置に給排気筒がありますが、稀に雪庇により給排気筒の閉塞が発生する場合もあります。
その場合、燃焼機器は給排気筒が新鮮な空気を取り入れることができず、不完全燃焼を起こしますが、安全装置がない場合は大変危険な状態となります。
不完全燃焼が起きるとどうなる
不完全燃焼とは暖房ボイラーや灯油ストーブが酸素不足になり、正常な燃焼ができず、一酸化炭素等が発生している状態いいます。
不完全燃焼による一酸化炭素が発生し、吸引してしまった場合、一酸化炭素(CO)中毒となる恐れがあります。
一酸化炭素(CO)中毒の最初の症状は風邪症状に似ていて、なかなか気づきにくく、次第に頭痛、吐き気がしてきて、手足がしびれて動けなくなります。
重症になると、人体に強い機能障害が発生したり、意識不明になり、そのまま死にいたることもあり大変危険です。
空気中の一酸化炭素(CO)濃度と中毒症状(作業環境測定便覧より)
CO(%) | CO含有空気呼吸時間と症状 |
---|---|
0.02% | 2〜3時間で前頭の軽度の頭痛 |
0.04% | 1〜2時間で前頭、悪心、2.5〜3.5時間で後頭痛 |
0.08% | 45分で頭痛、めまい、悪心、嘔吐、けいれん、2時間で失神 |
0.16% | 20分で頭痛、めまい、嘔吐、けいれん、2時間で死亡 |
0.32% | 5〜10分で頭痛、めまい、30分で死亡 |
0.64% | 1〜2分で頭痛、めまい、10〜15分で死亡 |
1.28% | 1〜3分で死亡 |
給排気口が雪で塞がって、暖房が止まった場合の対処法
灯油ストーブが安全装置の作動により停止してしまった場合は、まずは給排気筒周辺に雪が積もっていないか確認しましょう。もし、雪が積もっていて給排気筒が見えない場合は除雪作業を行い、完全に露出する状態まで掘り起こして再度電源を入れなおせば復旧が期待できます。
ただし、雪が止んでも自宅や隣家の屋根に降り積もった雪の落雪により、給排気筒が閉塞するケースも発生することがあります。除雪作業の際は屋根からの落雪にも十分お気を付けください。
また、雪庇による給排気筒の閉塞が発生し、暖房ボイラーが停止した場合は、雪庇を落とし、再度電源を入れなおせば復旧することが期待できます。しかしながら、雪庇を落とすことがそもそも危険を伴う作業となるため、ご利用のガス、灯油の事業者などへ依頼することをおすすめします。
こんなケースもあります
大雪や吹雪により、給排気筒の閉塞だけではなく、排気口周りに十分なスペースがない場合は「ショートサーキット」を起こして安全装置が作動し、燃焼機器が停止してしまうケースもあります。
ショートサーキットとは、狭い範囲で排出した空気をそのまま給気してしまう状態を指し、不完全燃焼を起こす原因となってしまいます。結果、給排気筒の閉塞同様、安全装置が作動して燃焼機器が停止してしまいます。
対処方法は給排気筒の排気口付近のものを移動し、スペースを充分確保することですが、それでも再度エラーが起きる場合は、ご利用のガス、灯油事業者へ依頼してください。
まとめ
灯油ストーブは常に燃焼をしていれば、通常の降雪であれば、給排気筒の熱で雪が解けて閉塞するようなことはありません。
しかし、大雪や吹雪の日に暖房ボイラーや灯油ストーブが止まってしまったら無理に動かすのではなく、まずは給排気筒を確認してみましょう。
除雪や雪庇を落としてから、再度電源を入れなおせば再度燃焼することもあります。
ただし、燃焼が再開したとしても臭いがする、普段と違う音がするなどの症状がございましたら大変危険ですので、電源を切り、燃焼機器の利用を控えて、ご利用のガスもしくは灯油事業者などへ連絡してください。