コラム

2023.3.24

LPガスと都市ガスはどちらが高い?メリット・デメリットと特徴を解説

普段の生活に欠かせないガスですが、LPガス(プロパンガス)と都市ガスの料金について、一体どちらが高いのか気にされている方も多いのではないでしょうか?

 

また、双方を比べた時にどのようなメリット・デメリットがあるのか、それぞれの特徴も含めてご紹介します。

 

LPガスと都市ガスのメリット・デメリットについて

 

まず初めにLPガスと都市ガスはどちらがお得なのか、メリット・デメリットについて比較表をまとめましたのでご覧ください。

 

 

LPガスと都市ガスの使用料金の比較

 

LPガスと都市ガスの使用料金を比較すると、基本的には都市ガスの方が安い傾向があります。しかし、一概に都市ガスと言っても地域によっても地域差があり、利用者の多い東京では単価が安いものの、地方都市となるとLPガスと料金があまり変わらない、という地域もあります。

 

また、都市ガスよりLPガスの方が使用料が高くなる理由の一つとしては供給方法が挙げられます。

 

都市ガスは地中のガス管を通して、各家庭へ直接供給となりますが、LPガスは1軒1軒にボンベ(もしくはバルクという大型の容器)での配送を行っており、配送費、人件費のコストがガス料金に反映されている場合が多いためです。

 

初期導入費用と設置可能エリアについて

 

上に述べた通り、都市ガスはLPガスと比べて使用料金が安価な傾向がありますが、戸建住宅の場合、引き込み工事の初期導入費用が発生するので注意が必要です。

 

また、都市ガスの供給対応エリアは、ガス導管が敷設されている日本の面積に対してわずか6%のエリアに限られていることや、災害時の復旧までに時間がかかることがデメリットに挙げられます。

 

それに対してLPガスは、ボンベと供給設備さえあれば全国、場所を選ばず利用が可能です。また初期導入費用が基本的に少ないのもLPガスのメリットです。

 

地下導管から引き込む必要がありませんので、ご利用するにあたり大きな出費をする必要もありません。

 

災害時の復旧日数

 

続いて災害時の復旧日数についてですが、2011年3月11日に発生した東日本大震災の復旧日数を見ますと……

 

 

都市ガスは5月3日に全面復旧したのに対し、LPガスは4月21日と約2週間早い時期に全面復旧を果たしています。

 

また、LPガスはお客さまごとに個別供給可能な「分散型エネルギー」なので、避難所や仮設住宅にも迅速に供給することが可能というメリットがあり、東日本大震災が発生した際も炊き出しにもLPガスが使用されています。

 

その他、LPガスは災害時に活躍する機器が多数ラインナップされており、例えばLPガス用発電機の場合、災害時に供給設備が問題なく使用できる条件下の元ではありますが、LPガスを利用して電気を使用することも可能です。

 

東日本大震災の時は電力の復旧に一番時間がかかったという点からも、”LPガスは災害時に強い”のが大きな特徴とも言えるでしょう。

 

LPガスと都市ガスの違いについて

 

LPガスと都市ガスは、どちらも料理や給湯、暖房等にも使いますが、同じガスという分類でも原料・成分・重さも違いますので見ていきましょう。

 

 

原料と成分の違い

 

LPガスはプロパンガスとも呼ばれますが、これは液化石油ガス(Liquefied Petroleum Gas)のことです。石油の原料となる原油が材料となっており、主成分は名前の由来にもなっているプロパンとブタンです。

 

一方、都市ガスの大半がLNGと呼ばれますが、これは液化天然ガス(Liquefied Natural Gas)のことです。天然ガスが原料となっており、主成分はメタンです。※地域によっては地下導管をLPガスが流れている場所もあります。

 

更に細かく見るとメタン・ブタン・プロパンはすべて炭化水素化合物です。

 

炭素(元素記号:C)に水素(元素記号:H)が4つ結合した構造がメタン(CH₄)、8個がプロパン(C₃H₈)、10個がブタン(C₄H₁₀)という違いがあり、発熱量は都市ガスと比べてLPガスの方が約2.23倍もあります。

 

つまり発熱量が高いLPガスは同じ量のお湯を沸かすのに、都市ガスの半分の使用量で済む計算になります。

 

ちなみに飲食店等の店舗で使用される業務用のコンロはLPガスの発熱量を最大限に発揮できますので、高火力で作られる料理が美味しいのはLPガスが影響しているといっても過言ではありません。

 

器具の違い

 

ガスホースや器具もLPガス用と都市ガス用で異なりますので注意が必要となります。

 

ガスホースの場合、LPガスはオレンジ色(LPG用と記載)、都市ガスの場合はベージュ色のホース(都市ガス用と記載)が適切となります。
ホースの構造もLPガスと都市ガスとでは異なりますので、必ずガス種にあったホースを選択しましょう。

 

また器具の場合も同様に器具本体にLPガス用、都市ガス用と記載されています。

 

万が一、ガス種にあう器具を間違えてしまった場合、例えばLPガス用のコンロを都市ガスで使用すると、不完全燃焼から一酸化炭素中毒が起こる可能性があります。

 

逆に都市ガス用コンロをLPガスで使うと、炎の大きさからやけどをする恐れがありますので、必ず確認した上で使用しましょう。

 

空気中のガスの重さ

 

LPガス、都市ガスの特徴の一つとして空気中の重さの違いがあります。

 

空気を「1」とした時の比重はLPガスで約1.5~2.0(プロパン:1.5、ブタン:2.0)と空気より重く、ガスが漏れた場合は足元にたまります。その為、ガス警報器も床下より30cm以内に設置されます。

 

それに対して都市ガスは、比重が約0.5と主成分のメタンが空気より軽いので天井周辺にたまり、ガス警報器も都市ガスの場合は天井から30cm以内に設置されます。

 

よってガス警報器を見れば、自宅でどちらのガスを使用しているかを見分ける事もできますので、一度警報器の位置を確認してみましょう。

 

またLPガス、都市ガスどちらも本来は無臭ですが、ガス漏れに気づかない恐れがある為、わざと臭いを付けているのも特徴の一つです。

 

まとめ

 

LPガスと都市ガスのメリット・デメリット、特徴は様々ありますが、使用料金で見ると都市ガスの方が安い場合が多いです。

 

ただ都市ガスは、初期導入費用が高額になることや災害時の復旧速度が遅いなどのデメリットがあるため、その点を考慮すれば、初期導入費用が安価であり災害時へ二次利用ができるLPガスのメリットは大きいのではないでしょうか?

 

特に日本は世界的に見ても地震の発生数が多いため、万が一の災害に備えるという点やライフラインを1本化するリスク、昨今の電力料金高騰に対しても、LPガスを検討してみるのをオススメ致します。

株式会社いちたかガスワン

北海道ガスワングループは、全事業所において「再生可能エネルギー実質100%」の電力を使用しています

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